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2018/03/28

実検するおじさん

[レビュー]TANCHJIM Darksideはキレのある派手なドンシャリサウンド

新興メーカが実力のある商品を出してくるあたりが、中華ポータブルオーディオの底力を感じるところでもあります。

世界的に中国発のポータブルオーディオメーカ(ブランド)が認知され、いまさら『中華』という括りが必要なのか?とも思わなくもないですが、ドンドンと新ブランドが出てくるあたりが、中華らしくもあり、勢いを感じるところでもあります。

そんな新しいメーカであるTANCHJIM(タンシジム)の取り扱いを始めました七福神商事様(Amazonストアフロント)よりDarksideのサンプル提供をいただきました。

ビルドクオリティやパッケージデザイン、付属ケースのレベルは高く、音も派手で好みの差が出そうなところを考慮すれば、なかなか魅力的な1本に仕上がっていると感じました。詳しく見てゆきましょう。


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レビューに関する決め事はこちら


〇無理矢理一言雑感


キレのある派手なドンシャリサウンドと質の高いパッケージングの実力派
ただし、ひと癖あるサウンドと駆動力のある環境が必要な点は留意すべき


〇TANCHJIM Darksideとは


 新興メーカ(だと思うのですが)TANCHJIM(タンシジム)からの新商品であるDarksideです。1DD構成でグラフェンコート振動板を採用しています。2017年前半頃からグラフェンコート振動板を採用した商品が増え始めたように感じますね。
 今回は、こちらの商品の取り扱いを始めました七福神商事様(Amazonストアフロント)よりサンプル提供をいただきました。
 パッケージ外観
 外装は周りを囲んでいるだけなので引き抜くと開けられるようになる
艶消しの焼結ブラックのような雰囲気で、プラスチックっぽく見えますし軽量なので手にとってもそう思いがちですがアルミ筐体になっています。耳掛けタイプにしては小型です。大きさだけで見るとKZのZSTあたりより小さいです。
 ケーブルは編んだタイプでしなやかで取回しも良いです。イヤーフック部も補強は入っていますが柔らかく個人的に好みの取り回しです。ケーブルは交換不可なタイプですが、価格も比較的安価なのとケーブルがなかなか良いので個人的に高評価です。
 装着感は、イヤーピースが若干ローコストなぺらぺらした感じで、首部分が短いので合わない人もいるかもしれません。また、ややノズル部分が太いタイプで、イヤーピースも開口部が広い物になっています。私は純正でギリギリフィットしましたが、合わない人は、首が長めで開口部も広いRHAやAcoustuneの物を使用すると良いでしょう。ちょっとキツさがありますが取り付けできました。この状態ですとフィット感も良いです。

 またケースも凝った、といいますか質感が良く、革っぽい雰囲気が良く出た物(多分合皮と担当者さんは言ってたと思います)で、満足感もあります。



〇TANCHJIM Darksideレビュー



紹介する商品はこちら。価格などもこちらへ。




■全体の印象

 明確なドンシャリで全体的に鋭さがある。ボーカル域も明瞭さがあり分離も良いがドンシャリ特有のクセもある。低音量はそれなりだが、締まりやアタックが効いているタイプ。キレのあるギターサウンドとのマッチングが非常に良い。
 ゆったりとした楽曲やアコースティックな楽曲、ボーカルが朗々と歌い上げるような楽曲はドンシャリのクセによって違和感に繋がりやすいと予想されるが、明るく元気があったり、鋭く勢いのあるロックやポップス、打ち込み系では、イヤホンの持つ勢いと相まって楽しめる可能性が高い。
 音量はそれなりに取れるが、駆動力がそこそこ必要なようで、慣らし用に使っていたiPod nano程度では低音の弱さや高音域の刺さりが気になることが多く、再生環境に注意が必要。


■各音域の印象

 低音は中低音が多めで重低音はやや控えめ。バスドラのアタック、ベースラインが明瞭で、どちらかというと締まりのある鳴り方をする。ファズを効かせたベースは、ファズの鋭い感じが良く出る。ここまではイコライザなどを変えなかった場合で、低音が強い音源やイコライザで少し増してやると、重低音までしっかりと出て、バスドラの圧迫感も良く出るようになる。試しにかなり盛ってやっても破綻感が無く、他の音域に悪影響無く出ていたので、環境や聴く楽曲によって印象がかなり変わりそう。

 スネアやタムはアタックが大きめ。シンバルはサスティーンが長く、金属的な鳴りが良く出る。シンバルの細かなニュアンスは、シンバルの音が明瞭な割に控えめ。スネアやシンバルの定位はそれなりに良い。サックスにしろトランペットにしろ、鮮やかな明るい音を鳴らす。若干、サックスもトランペットのような鳴り方をすることがある。ピアノは明るめの音を鳴らし、鮮やかとか軽やかという印象。低音域まで出ているので厚みも出るし、響きもあって悪くない。

 ボーカルは女性ボーカルや高めの男性ボーカルは明瞭で鋭さがある。分離も良く埋もれるわけではないが、他の音も派手なので最前面に出てくる感じはない。また、ボーカルは近めに感じることが多い。息の音はそれなりにでるものの生っぽさも控えめ。ドンシャリ特有のボーカルの音域の途中から持ち上がっている感じのクセを感じることがあり、それがボーカルが主体となった楽曲だと気になることがある。他の楽器がそれなりに鳴っていれば気にならない。それなりに良い環境であればサ行やタ行の刺さりはややある程度。ただし駆動力が低い環境だと刺さりが気になりやすい。(シンバルも同じく)

 エレキギターは、ディストーションのエッジ感のキレや鋭さが出て良い。キレや鋭さのあるサウンドの方が得意で、太さや豊かさのあるサウンドはキレのある感じに引っ張られる。(デフォルトからMID TREBを少し上げた感じ) バックで弾かれる細かなカッティングやフレーズも良く聴き取れる。


 バイオリンは、弦をこするザリッとした成分は多めで、楽器由来の響きはそれなり。豊かさは控えめで鮮やか。高音域が鮮やかな割にキツさが少なく、空間的な広がりがあるため、ホールでの演奏などでは広がりを感じる。

大雑把な聴こえ方は普通はボーカルが強いことを念頭に置いてもらって、

ボーカル≧ギター≧ピアノ>シンバル>ベース>バスドラ

ベースは音量は少な目としたが、ベースラインは強めに聴こえるので、比較的高めの音程のベースラインなら明瞭に聴こえることがある。


■その他聴こえ方

 録音の粗やサーノイズはやや感じる。それぞれの楽器やボーカルは比較的近く感じる。また、ホールの残響や反響、リバーブが良く出る。そのため、全体的に奏者が近くにいて、奥側に広いような感じ方をする。このあたりの近さと広さを両立した鮮やかなタイプという点を評価できれば、かなりハマる1本になる可能性がある。
 全体的に鮮明な鳴りをして、金属的な鳴りの方が得意な印象。これを細いと取るか明瞭で鮮やかと取るかで評価が分かれそう。ただし、イコライザーなどで低音域~中低音を盛ってやると厚みがあってキレのある低音を出しつつ、中高音域との分離が悪化しない、厚みとキレが両立した音に豹変する。それだけ再生環境や音源に左右されるということだが、この辺りを上手くコントロールできればかなり楽しめる1本となる可能性がある。

 音量を下げた際は、全体的に鮮やかさが落ち着いて高音域は丸まる感じがするが、ボーカルの明瞭さは失われない。
 出力の低い再生環境であると、低音域が出ず高音域が刺さるシャリシャリしたイヤホンになってしまうため、音量が取れる取れないではなく推奨できない。


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■お勧めできる人

 ボーカルやギター、シンバル等の鮮やかさが欲しい人。ドンシャリ系の派手な表現で、勢いとかキレのある音が好みの人。ベースラインの効いたノリの良さと中高音の鮮やかさが欲しい人。ただし、そこそこ良い再生環境を持っていることが条件となる。


■お勧めできない人

 出力が小さめな再生環境しかない人。出力に不安がある場合はこのイヤホンの良さを活かせない可能性が高く避けた方が無難。再生環境が良くても中高音の鋭さのある表現は変わらないので、そのあたりが苦手な人。低音の厚みが欲しい人。表現全体に厚みとか温かみが欲しい人。


■雑感

 個人的には好きなのだが、かなり派手で好みの差がはっきり出そうで要注意だと言っておく。私も、これ1本だけ残すという選択はしないだろう。たまにはこういう元気で勢いのあるタイプも楽しいので手元に残しておきたいと感じる。
 サウンドの特徴もさることながら、再生環境による差が大きい1本であり、最近入手したOpus #1sはどちらかというとパワーがあり低音域も豊かなタイプなので、これで使うとどうしちゃったの?というぐらい低音に厚みのある鳴り方をし非常に楽しい。一方、貧弱な環境だと低音少な目で高音がキンキンと刺さる音になってしまう。なので『刺さる人には刺さる1本』と言える。(上手いこと言った←)

 さて、手持ちの中で傾向が近い物はTFZ Exclusive5かな?と感じた。比較するとEX5の方がやや厚みがある感じで、Darksideの方がより細いとか鋭いとかいう感じ。また、EX5は低音がやや緩い感じがあるが、Darksideの方が締まりのある鳴り方をする。(デフォルトでの量はEX5の方が少し多いが、イコライザで増した時の鳴り方を比較した。)
 あの鋭いと評判のTFZ EX5よりDarksideの方が鋭いのだから、かなりだと思ってもらって良いだろう。



〇買い物かごの中身の評価



大雑把なお買い得度を評価する指標です。基準はこちらから。

お買い得度 ☆☆☆★★
使い勝手  ☆☆★★★
お勧め度
  一般  ☆☆★★★
  趣味人 ☆☆☆☆★

コメント

 お買い得度は約11000円で購入として判定。好みが分かれそうな音である点を念頭に置いて、作りの良さ、ケースの品質の良さ、ケーブルの取り回しなどを考えて☆4つと悩んだが、3つが妥当と考える。使い勝手は、ケースや取り回しの点だけを考えれば☆3つは十分につくが、再生環境を選ぶことを考えて☆2つ止まり。
 一般にも再生環境を選ぶ点を考慮して☆2つ。音の傾向を考えても、とりあえず試してみる、というには尖った特徴だと感じる。
 再生環境がある程度揃っていて、好みも分かっている趣味人には、鋭く鮮やかで、中高音に明瞭さがあり、空間的な広がりのある音を出すイヤホンがこの価格帯では少なめであることから☆4つ。また、再生環境の設定などを上手く作り込むことができれば、それに追従する懐の深さも感じるため高めに評価した。作りの良さも考えて、十分に価格なりかそれ以上の満足度は得られるだろう。
メーカの心意気というか信条みたいなものが見れてなかなか良いです

今回はサンプル提供をいただきました。下記リンクは七福神商事様のストアへ繋がります。


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